著書の紹介

パソコンで学ぶ 自動制御の実用学

〜PID制御/ディジタル制御技術を基礎から実験する〜



本の表紙



A5判 255ページ
発行日 1991年7月(初版)
著者 宮崎誠一、宮崎仁
発行所 CQ出版




内容の紹介

● この本は、フィードバック制御についてやさしく解説した入門書です。また、PID制御に関しては、実用レベルの解説を行っています。
● 自動制御は制御のやり方によって、フィードバック制御とシーケンス制御の二つに大別されます。フィードバック制御は、たとえば、エアコンにおいて部屋の温度を一定に保つ制御です。シーケンス制御は、たとえば、全自動洗濯機における一連の操作の自動化です。
● フィードバック制御の基礎技術は、とかく難解になりがちです。この本は、パソコンを利用した制御実験を行ない、その結果を豊富に示しているのが大きな特長です。図やグラフによって、制御の様子を直感的に理解することができます。さらに、読者が自らパソコンを使って、自分で制御実験を行うこともできます。
● 制御には、アナログ回路を使用したアナログ制御と、マイコンやパソコンを使用してソフトウェアで制御を行うディジタル制御があります。
● もともと、フィードバック制御はアナログが主体でした。しかし、最近ではディジタル化の波に乗って、ディジタル制御が多く用いられています。この本は、アナログ制御とディジタル制御の両方について、比較しながら説明しています。
●この本はフィードバック制御の入門編として、フィードバック制御の基本であるPID制御について解説しています。しかし、さらに高度な制御方式であるアドバンスト制御も実際には多く利用されています。
● この本の姉妹編として、パソコンで学ぶ自動制御の応用学があります。パソコンで学ぶ自動制御の応用学は、この本よりもさらに高度なアドバンスト制御について解説しています。この本をマスターした後に、読み進むことをお勧めします。

目   次

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内   容

第1部 フィードバック制御の入門

● この本の導入部です。とくに分かりやすい説明を心がけています。

第1章 プロローグ 〜自動制御への誘い
フィードバック制御の背景について示します。

第2章 フィードバック制御の基礎技術
フィードバック制御の概要をレビューします。
最も単純な制御はON/OFF制御です。しかしON/OFF制御は限界があり、より良い制御を行うためには、一般にPID制御と呼ばれる制御方式が用いられます。
フィードバック制御では、PIDなどの制御演算式が重要です。それと同時に、制御のために何を操作するかという操作部の選定が重要です。



第2部 PID制御の基礎

● 実用上の問題に重点をおいて、フィードバック制御の基本であるPID制御について解説します。
制御理論に関しても触れていますが、数式は最小限にとどめて、図やグラフによって直感的に示しています。

第3章 アナログPID制御
アナログPID制御について説明し、さらに制御系の表現方法を示します。アナログ制御系を表現するには、伝達関数と呼ばれる数式による表し方と、周波数応答と呼ばれる図による表し方が便利です。

第4章 ディジタル制御の実際
ディジタル制御に関して、この章では実用的な面を中心に示します。
ディジタル制御では、制御信号の出力方式として、ポジション・フォームと呼ばれる方式と、ベロシティ・フォームと呼ばれる方式が多く使用されています。ベロシティ・フォームはディジタル制御固有の方式であり、ポジション・フォームはアナログ制御と同等の方式です。



第3部 制御成績の評価と最適調整法

● この本の中心となる部分です。

第5章 制御成績の評価と周波数応答特性
制御の結果は、定量的な制御成績によって評価します。制御成績の評価基準として絶対的なものはなく、本来は制御対象によって異なります。
ここでは、比較的汎用性が高い評価方式や、一般的によく用いられている評価方式について説明します。

第6章 PID制御の評価
PID制御は、P動作、I動作、D動作の三つの動作から成り立っています。ここではP、I、Dの各動作について評価を行い、その使い分けを示します。ディジタルPID制御では、第3章で触れなかったディジタル制御系の表現方法についても解説します。

第7章 アナログPID制御の最適調整
フィードバック制御では、良い制御成績を得るためには、PIDの制御パラメータを制御対象の特性に合わせて調整することが必要です。ここでは、アナログPID制御の最適調整法について説明します。

第8章 ディジタルPID制御の最適調整
ディジタルPID制御の最適調整法を示します。
ディジタル制御においては、PIDの制御パラメータのほかに、サンプリング周期を適切に選ぶ必要があります。サンプリング周期を含むパラメータの最適調整法を紹介します。




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